カテゴリ: 小児歯科

鵞口瘡について

こんにちは。ニコデンタルクリニック歯科衛生士の日浦です。

今日は昨日に引き続き小児における口腔軟組織の異常のなかで鵞口瘡について書きたいと思います。

鵞口瘡とはカンジダ・アルビカンスという真菌の感染により発症する乳児期の病気です。

症状は赤ちゃんの口や股にこすってもとれない白いかすのようなものが付着し、舌、頬の内側や歯茎にも広がります。通常痛みもなく無症状ですが、まれに痛みを伴い哺乳量が低下することもあります。

もともとカンジダ菌は体の中に常在菌として点在しています。通常の膣にも存在するカンジダ菌が妊娠中はホルモンバランスも変化し免疫も低下することから増殖しやすい傾向にあり、出産時に産道で感染する場合があります。他に授乳感染、おしゃぶりやおもちゃからの感染の疑いもあるといわれています。

赤ちゃんの舌にはよくミルクかすが残るので鵞口瘡ではないかと心配なさるママもいらっしゃると思いますが、ミルクかすはこするととれますが鵞口瘡の白いかすはこすってもなかなか取れず、無理にはがし取ろうとすると出血し痛みも伴います。

鵞口瘡の疑いがある場合は、ご自身でこすったりせずにまずは手指や乳頭、哺乳瓶の清潔を保ち医療機関を受診しましょう。

 

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新生児の赤ちゃんのお口について

こんにちは。ニコデンタルクリニック歯科衛生士の日浦です。

私ごとですが1月末に元気な男の子を無事出産することができました。

現在は自宅で赤ちゃんのお世話に専念していますが、赤ちゃんのお口や成長発育について復習と勉強を兼ねてブログに書きたいと思います。

新生児の赤ちゃんのお口には上あごに哺乳窩といわれる乳首がおさまるためのくぼみがあり、そこに赤ちゃんは乳首をピタッとはめて舌を歯茎の少し先まで伸ばして乳首に密着させて波をうつようにしたを動かして哺乳をします。

生後2~3か月までの乳児の哺乳運動はほとんど反射運動によるものだそうです。

乳首やその他の物がふれるとそちらに顔を向け開口する探索反射、乳首を口腔に保持しようとする口唇反射、連続して乳を吸う吸啜反射、乳汁を飲み込む嚥下反射。

これらの反射が生まれながらに備わっているので誰も教えなくても上手に哺乳ができるんですね。

毎日授乳をしながら赤ちゃんのお口やいろいろなところを観察しています。毎日違う顔が見れて楽しいです。

 

 

 

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サホライド(フッ化ジアンミン銀)

こんにちは。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今日はサホライドについてお話します。サホライドとは、フッ素イオンと銀イオンを含んだ液体で、虫歯の進行抑制効果、鎮痛効果、殺菌効果、知覚過敏抑制効果が期待できる薬品です。

ただし、塗布した部分の歯が黒く変色してしまうという欠点があるため、最近ではあまり使われなくなってきました。

しかし、1歳くらいで虫歯になってしまった場合治療の必要性を理解させたり、お口をあけることさえ困難な年齢では削って白く修復するということが不可能なことも多く、虫歯の進行抑制のために使用することもあります。

2歳半から3歳くらいになってくると乳歯の噛み合わせも完成し、お子さんにも十分なコミニケーションのもとにお話しをすれば治療の必要性やどんなことをするか、怖くないかなど伝わるようになり治療ができるようになってきます。

以前は乳歯の虫歯は生え代わりまでサホライドで進行抑制をしてもたせる。といった治療法が多く、現代では見た目を重要視するようになり、どうしても必要な時に用いるというように時代が変わってきたように思います。

当院では、通常は乳歯の治療の場合でも大人と同じく虫歯を削り、コンポジットレジン(保険診療の白い詰め物)を用いて治療する場合が多く、サホライドはあまり使用しませんがサホライドをし使用する際は必ずと塗布した部分が黒く変色することをご理解いた上で使用します。

しかし、何よりも虫歯を作らないことが一番ですので乳幼児をお持ちのママ自身が歯科医院でメンテナンスを受けて正しい間食の与え方、虫歯のできるしくみ、お子さんのお口のお手入れについてなどの知識を身につけてお子さんの歯を私たちと一緒に守っていただければと思います。

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ヘルパンギーナ

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回はヘルパンギーナについてお話します。

ヘルパンギーナとは夏風邪の一種でウイルス(エンテロウイルス、コクサッキーウイルス)による感染症で高熱、倦怠感、のどの痛み、口の中(特にのどの奥のあたり)に直径2~3mmの水ぶくれを伴う疾患です。

乳幼児や小児に発症することが多い疾患ですが、稀に大人にも感染するケースがあります。

前回お話した手足口病に原因、症状、流行時期がよく似ており、6月下旬から8月の夏季に多く発症します。

口の中に水ぶくれができるため、歯科医院で発見される事も良くある疾患ですが、予防薬もないので治療は水ぶくれや発熱への対症療法が中心となります。

ご家庭での管理は、口の中に水ぶくれができるため食事や水分が取りにくくなるため水分補給や栄養管理に注意していただく必要があります。

マスクの着用、うがい、手洗いでの予防が効果的です。

通常は1週間程で回復しますが、稀に重篤な症状へ移行するケースもありますので症状が重い場合には注意が必要です。

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手足口病

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は手足口病のついてお話します。

手足口病はウイルス(コクサッキーウイルス、エンテロウイルス)が原因となって発症する疾患で手足や口の中、周囲に2~3mm程度の水ぶくれができる疾患です。

流行するのは夏場が多く7月頃にピークをむかえます。

特に今年は流行しているため注意が必要です。

埼玉県では流行警報の基準値を超えて流行しています。

初期症状として発熱や倦怠感、頭痛やのどの痛みを伴うことが多いです。

飛沫や接触により感染します。

手足口病は10歳以下の乳幼児や小児がかかりやすいですがまれに大人のも感染することがあります。

特に予防薬もなく手足口病のウイルスに有効な薬がないため治療は発熱や水ぶくれへの処置が中心となります。

通常は1週間ほどで回復しますがごく稀に重篤な症状へ移行するケースがあるため注意が必要です。

予防策としてはうがいや手洗い、マスクの着用による飛沫感染の防止が効果的です。

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先天性欠如歯

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は先天性欠如歯についてお話します。

本来生えてくるべきはずの永久歯が生えてこないことを先天性欠如といいます。

先天性欠如は病気ではなく歯の形成異常です。

遺伝、全身疾患、薬の副作用などが原因として考えられていますがはっきりした原因は解っていません。

側切歯(前から数えて2番目の歯)、第二小臼歯(前から数えて5番目の歯)に多く認められます。

永久歯がつくられ萌出をはじめると、その上にある乳歯の根が吸収され抜け落ちてきますが、永久歯が先天的に欠如していると乳歯の根は吸収されないので大人になっても乳歯が残ったままになることもあります。

先天性欠如で乳歯を失った場合には欠如した部分を補う治療をおすすめします。

歯が失われたままの状態が長期間続くと歯が倒れたり伸びたり移動して歯並びや咬み合わせに悪影響をおよぼす可能性があるからです。

欠如した部分を補う治療としては矯正、ブリッジ、義歯、インプラントなどがあげられます。

どの方法にも利点、欠点があり、どの方法が良いかはケースによって変わってきますので説明したうえで患者さんと話し合ってから治療方針を決定していきます。

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癒合歯

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は癒合歯についてお話します。

癒合歯とは2歯以上の歯が結合して1歯になったものです。

結合の仕方により癒着歯、双生歯、融合歯に分類されます。

永久歯にはあまりみられず、ほとんどが乳歯で特に下の前歯に発現しやすいです。

原因ははっきりと解っておりませんが、歯がつくられる過程で近接しすぎて成長した結果、細胞同士が接触して融合したと考えられております。

癒合歯は両親からの遺伝ではなく偶然の産物と考えられております。

癒合歯は永久歯への生え変わりの時に自然に抜けることが少ないので抜歯が必要となるケースが多いです。

その後から生えてくる永久歯の数が1本足りなくなる場合があるのでレントゲンでの検査をお勧めします。

癒合歯の結合している部分は溝が深くへこんでいるため、汚れがたまりやすく虫歯や歯肉炎になりやすいためブラッシングやフッ素塗布、溝を埋めるシーラントなどの予防処置が重要なものとなってきます。

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ランパントカリエス

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回はランパントカリエスについてお話します。

ランパントカリエスとはお子さんのう蝕多発症で、多数の虫歯が比較的虫歯になりにくいと言われている下の前歯も含んで、急速に広範囲に起こる疾患のことをいいます。

最近では予防の概念が浸透し、ほとんど見られなくなりました。

原因はブラッシング不足、間食、糖分のとりすぎなどです。

虫歯が広範囲にわたり歯が多数崩壊するとかみ合わせにも影響がでますので注意が必要です。

乳歯は歯の質がとても弱く、小さいお子さんは頻繁に糖分を摂取する傾向があり虫歯にかかりやすい時期ですが、ブラッシングと正しい知識を持って間食を与えれば防ぐことが可能です。

現在乳歯で虫歯になってしまった歯も、永久歯に交換するまで守ってあげて、永久歯は虫歯にしないようにすれば良いのですから気落ちすることはありません。

当院ではお子さんの歯を親御さんと一緒に守っていくと考えており、予防にも力を入れております。ブラッシング指導、間食指導など1人1人に無理のないアドバイスを提供出来るよう努力しています。

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上皮真珠

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は上皮真珠についてお話します。

上皮真珠とは生まれて間もない赤ちゃんの歯肉にみられる白い半球状の小さな塊のことをいいます。

見た目が真珠に似ていることから上皮真珠と呼ばれています。

新生児の約80パーセントにみられ上顎の前歯の部分に出現することが多いです。

複数個現れる事も多く、痛みなどの自覚症状はありません。

これは歯がつくられる途中に歯を形成する組織が吸収されないで残ったもので、乳歯が生える頃には自然に無くなってしまうため特に治療する必要はありません。

もしご心配でしたら遠慮なく一度チェックにいらして下さい。

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リガフェーデ病

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回はリガフェーデ病についてお話します。

生まれた時、または生後まもない赤ちゃんに歯が生えてくることがあります。

この歯を先天性歯と呼びます。

ほとんどが下顎の前歯の部分に生えてきます。

先天性歯が原因で舌の裏側に歯が当たって傷になってしまい潰瘍を形成してしまう疾患をリガフェーデ病といいます。

潰瘍になるため、赤ちゃんは痛くて哺乳できなくなったり、機嫌が悪くなったりするため自然治癒しない場合は歯のとがっている部分を丸めたり、コーティングしたりします。

乳歯ではなく過剰歯の場合は抜歯を行うケースもあります。

赤ちゃんは栄養摂取や発育のために哺乳運動がとても大切ですので早期に発見し早めに治療してあげることが望ましいです。

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