Author Archives: 西野勝

舌痛症

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は舌痛症についてお話します。

舌痛症とは舌にヒリヒリとした灼熱感やしびれるような感じが続く疾患で40歳以降の女性に多くみられます。

見た目には全く異常が認められず症状だけがあらわれます。

原因はまだはっきりわかっていませんが心因性〔ストレス〕が原因ではないかと言われております。

近年では神経系〔痛みを伝達する神経回路〕に異常が生じている可能性があるとの報告もあります。

治療は抗うつ薬の服用、心理療法が効果的です。

心理的なものが原因であることが多いので十分カウンセリングを行い異常のないことを説明、ご理解していただくことが重要です。

 カテゴリ:口腔外科

上顎洞炎

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は上顎洞炎についてお話します。

上顎洞炎とは上顎の歯の根の上部から目の下の部分にかけてにある上顎洞とよばれる空洞が炎症を起こす疾患です。

症状としては目の下の頬部の圧痛や腫れ、痛み、鼻から膿がでる蓄膿の症状が典型的です。

歯が原因で起こるものと、鼻が原因で起こるものがあります。

歯が原因で起きる上顎洞炎を歯性上顎洞炎といい、虫歯や歯周病を放置したり、根の治療が原因で根の先端から上顎洞に細菌が入りこむことにより発症します。

上顎に行うインプラント治療にも上顎洞炎のリスクがあります。

歯が原因の場合は奥歯〔特に奥から二番目の第一大臼歯〕の根の先端の病巣が原因になる可能性が最も高く、咬んで痛い症状や歯肉の圧痛が認められるケースが多いです。

治療は抗生物質の投与で細菌の感染を押さえ込み、根の細菌感染が原因の場合は根の治療を行います。

改善しない場合は抜歯を行い、必要があれば空洞の洗浄、内部の膿を取り除く外科的手術が行われます。

私自身、根の細菌感染が原因で5年ほど前に上顎洞炎を経験した事があり、当時はあまりの激痛に数日間苦しみました。

数日後、鼻から膿がでまして内部の内圧が下がり痛みがひきました。

治療は抗生剤の投与、原因歯の抜歯を行い症状は改善しました。

レントゲンと問診で比較的簡単に診断できますので症状に心当たりのあるかたは検査をおすすめします。

 

 カテゴリ:口腔外科

幼若永久歯

こんにちは。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は幼若永久歯についてお話しします。

生えたばかりの大人の歯のことを幼若永久歯と言います。

この幼若永久歯は、生えてから2~3年は完成されておらず虫歯になったりぶつけて折れたりすると、治療法も通常の永久歯とは違うところが出てきます。

〔幼若永久歯の特徴〕

・強度が低く、虫歯に対する抵抗力が弱い。
 →外からフッ素を取り入れ、緻密な結晶構造を作ってあげることが大切です。

・形態的に虫歯になりやすい
 →若永久歯の溝はまだとても深く、虫歯菌のすみかになりやすいため、溝を埋めるシーラントなどの予防処置が有効です。

・ 歯根が完成されていない。
 →永久歯の根っこは生えてすぐは完成されておらず、3年くらいかかって完成します。
この幼若な状態の2~3年をなんとか虫歯にならないようにのりこえられるようにしたいものです。

 逆にこの成熟過程の間に フッ素を積極的に利用すると、再石灰化が促進して歯が早く成熟します。 生えたての歯はよくフッ素を取り込みますので、将来虫歯になりにくい丈夫な歯を作ることができるのです。

万が一むし歯になってしまった場合にも、幼若永久歯の治療には、その成長力旺盛な力を活用する方法があります。

 幼若永久歯のむし歯は進行が早いため、発見された時には細菌に感染した部分が深部にまで及んでおり、そのまま削っていけば神経が露出する場合がほとんどです。

その場合に応用される治療法で、むし歯になった部分をできるだけ取り除き、むし歯菌に侵されている部分を一層残し、神経を露出させないようにして薬剤で覆い、セメントでふたをし歯の形成を待ってから、数ヶ月後に再度処置を行うといった方法を用いることができます。

なにより、むし歯にならないことが一番ですので生えたての歯は特に大切に、一生使っていけるよう守っていきたいです。

 カテゴリ:小児歯科

三叉神経痛

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は三叉神経痛についてお話しします。

三叉神経痛は顔の一部に起こる発作性の激痛です。

激烈に強い痛みを伴いますが突発的な痛みで数秒でおさまる事が多いです。

洗顔や髭剃り、化粧、食事、会話などの動作で痛みが誘発されます。

三叉神経痛の一部は脳腫瘍が原因で起こっていることがある為、突発的な数秒でおさまる激痛が顔面に出た場合はMRIによる精密検査をおすすめしています。

治療は外科で薬物療法(カルバマゼピン)、神経ブロックなどを行います。

原因不明の歯の激痛を主訴として来院される患者さんの中には三叉神経痛を歯の痛みが原因と間違えられて、健康な歯を抜歯されたり、神経を抜かれてしまうケースもあるようなので注意が必要です。

私は現在までに5名ほど三叉神経痛の患者さんを診察した事があり、そのうち1人の方は脳腫瘍が原因でした。

診断が非常に大切になってきます。

当院では精査を行ったうえで原因不明の痛みがある場合、無理に抜歯したり神経を抜くような処置は行わずに大学病院と連携をとっています。

 

 カテゴリ:口腔外科

歯肉炎

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は歯肉炎についてお話します。

歯肉炎は歯周病の一歩手前の状態で歯槽骨(歯を支えている骨)にまでは炎症が広がっておらず、歯肉のみに炎症が起きているものです。

歯肉炎になると歯茎が炎症を起こして腫れたり充血したりして出血しやすくなります。

歯肉炎の一番の原因は清掃不良による口腔衛生状態の悪化ですが、女性ホルモンの変化も関係があるといわれております。

思春期や妊娠により女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が増えると歯肉炎が起こりやすくなります。

出血しやすいからといって歯みがきをやめてしまうと逆効果です。

健康な歯肉はスティップリングと呼ばれるミカンの皮の表面のようなくぼみが認められ、引き締まり淡いピンク色をしています。

健康な状態の歯肉にもどせるように歯みがきによる予防法をしっかり行いましょう。

ご自身ではしっかり歯みがきできているつもりでも、実は磨けてないことはよくありますので歯科医院での定期的なチェックをおすすめします。

 カテゴリ:歯肉炎

口臭

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は口臭についてお話します。

口臭の原因の80%はお口の中にあるといわれています。

歯周病、清掃不良、虫歯、舌苔、口腔乾燥(ドライマウス)などが口の中からくる口臭の主な原因です。

他にも糖尿病や呼吸器系の疾患、腎不全、副鼻腔炎などの全身疾患からくる口臭もあります。

口臭には病気からくるものだけでなく起床時や空腹時には誰でも口臭が強くなる傾向があります。

これらを心配なさって来院される方も多くいらっしゃいますが、これは生理的口臭といって誰もがあるものでありゼロにはできませんし問題ありません。

効果的な口臭ケアの方法として舌苔の除去があります。

舌苔は舌の表面に付着する白い苔のようなもので舌苔の清掃は口臭予防に非常に効果的です。

舌の奥から手前にかき出すように優しく繰り返しこすります。

この時前後にこすると誤嚥の原因になるため手前にかきだします。舌はデリケートな組織なので、柔らかい歯ブラシか専用の舌クリーナーで優しくお掃除することをおすすめします。

口腔内を清潔に保ち、お口のクリーニング、検診を定期的に受けることが口臭予防にも効果的です。

 カテゴリ:口臭

知覚過敏

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は知覚過敏についてお話します。

知覚過敏になると虫歯でもないのに冷たいものがしみたり、歯みがきをした時に歯がしみる症状がでます。

知覚過敏は歯の表面のエナメル質が削れてしまい、象牙質と呼ばれる部分が露出してしまうことによって刺激が神経に伝わり歯がしみてきます。

主な原因としては硬さが硬い歯ブラシの使用、ブラッシング時の過度の圧による間違った歯みがき、歯ぎしりやくいしばりによるエナメル質の破壊、歯周病により歯肉が後退し歯の根の部分が露出してしまうことにより起こります。

治療法としては知覚過敏を抑制する薬の塗布、知覚過敏用歯剤の使用、削れてしまっている部分への詰め物によるコーティングなどを行います。

歯ぎしりやくいしばりがある方はマウスピースをの使用し過度な歯や歯周組織への負担をを軽減すること、適切なブラッシングによりエナメル質が削れてしまうのを防いだり、歯周病を予防することも大切です。知覚過敏ではなく、虫歯によって歯がしみる症状がでることもあります。

症状がなくても歯ぎしりや過度な力でのブラッシングは検診で発見できることも多いので定期的にチェックを受けることをお勧めします。

 カテゴリ:知覚過敏

ホワイトニング

ホワイトニング

こんにちは。ニコデンタルクリニック歯科衛生士の日浦です。

今回はホワイトニングについてよくあるご質問についてお話しします。

ホワイトニングはその名のとおり、白くすることです。クリーニングとの違いは、クリーニングは歯の表面の沈着物を除去して本来の歯の色に戻すのに対し、ホワイトニングは、歯の中の着色物質を除去して本来の歯の色より白くします。

その方法には、クリニックで行う「オフィスホワイトニング」とお家で行う「ホームホワイトニング」がありますが、今回はオフィスホワイトニングについてご説明します。

オフィスホワイトニングはジェル状のホワイトニング剤を歯に塗布し、ホワイトニングライトを10分程度照射するという操作を2~3回繰り返し行い、術前術後カウンセリングを含め1時間程度で完了します。

1度でも効果はありますが、2回以上行うことでより内部の着色物質が取り除かれ、白さも長持ちしますので2回以上行うことがおすすめです。

健康なエナメル質がホワイトニングの対象となりますので、さし歯やつめものがしてあり、その人工物が着色している場合はホワイトニングでは白くなりません。

ホワイトニング後は歯の表面を覆っている被膜が分解され、色の分子の進入を防ぐものがなくなりますが、だ液により12時間から24時間で再生されるため、その間は色の濃い食べ物、飲み物を控えていただくと効果的です。

オフィスホワイトニングはアメリカで開発され、長年にわたり使用されて安全性が証明されており、当院で使用しているホワイトニングライトは発熱もなく、紫外線も完全にカットされているので歯や周りの組織に安全です。

以前は20代30代女性に多く利用されていたホワイトニングですが、最近では50代60代の方や男性も施術を希望される方が増えている傾向がみられ、歯科衛生士としては1人でも多くの方がご自身のお口に関心を持って、よりキレイに健康になりたいと思っていただけるとうれしいなと、そのお手伝いをしたいと日々思っています。

興味のある方はお電話でのお問い合わせをお願いします。

 

 カテゴリ:未分類

親知らず

こんにちは。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は親知らずが引き起こす智歯周囲炎についてお話しします。

20歳前後に一番奥に生えてくる第三大臼歯のことを「智歯」といいます。いわゆる親知らずのことです。

日本人は、あごが小さいために、一番奥にこの歯の生える場所がなく、正しい位置にうまく生えないことが多く、横向きに生えたり、歯の一部だけしか顔を出さなかったり、歯はあってもあごの骨の中に埋まったままで生えてこないこともあります。
うまく生えてこない親知らずは、歯の一部が口の中に出ていて、他の部分は歯肉で覆われているので、歯と歯肉の間にポケット状の隙間ができてしまうため、口の中の細菌や食べカスがたまり、細菌が繁殖するとその周りに炎症が起きます。これが親知らずの痛みである智歯周囲炎です。

初期症状は、親知らずのまわりの歯肉が腫れて、食事の時などに痛む程度です。しかし、それが進むと炎症が広がり口が開きにくくなり、さらに顔面や耳のあたりまで痛みが広がったり、飲み込むのも痛みが伴うようになります。
炎症がもっとひどくなると、あごの下のリンパ腺や扁桃腺が腫れてきます。さらにひどくなると顔が腫れてきたり、炎症が広がって、呼吸困難や細菌が全身にまわって高熱がでたりします。

下あごのいちばん奥のあたりが腫れぼったく、口を大きく開けると痛い場合は、この病気を疑って歯科医院に診てもらって下さい。口を開いても親知らずがほとんど見えないこともありますが、レントゲン写真を撮ると親知らずがあるか、またうまく生えてくる歯かどうかもわかります。

治療の第一は安静です。炎症を起こしている部分をきれいにして消毒し、細菌を殺す抗生剤や炎症を抑える消炎剤、鎮痛剤を使います。

智歯周囲炎は、歯が不潔になったり、疲れや風邪のひき始めなど、免疫力が低下したり、体が少し弱っている時に起きやすいので日頃からブラッシングで細菌を減らし、疲れをためずに睡眠と栄養をしっかりとること、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることが第一の予防法です。

 カテゴリ:口腔外科

フッ素について

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こんにちは。ニコデンタルクリニックの歯科衛生士の日浦です。

今回はフッ素についてお話します。 

フッ素は歯磨剤にも配合されており、むし歯予防に効果的であることは良く知られていますが、なぜ効果的なのか少し詳しくご説明しようと思います。

歯のエナメル質はハイドロキシアパタイトと呼ばれる結晶構造をしておりフッ素が取り込まれることで構造がよりしっかり安定します。これにより、歯の質が丈夫になり、むし歯菌が出す酸に溶けにくい歯が作られていくのです。

さらに、唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンを歯へ取り込む助けをし、再石灰化を促してくれる働きもあります。

写真のお子さんは8ヶ月ですが、もう乳歯が8本も生えていて、9本目も顔を出しています☆

今日はフッ素塗布をがんばって、キッズルームでたくさん遊んでくれました!!(また来てね!!)

お子さんのフッ素塗布のベストなタイミングは、乳歯が生えてきた時や、生え変わりの時期です。生えてきたばかりの歯は弱くてむし歯になりやすいので、早めに抵抗力をつけてあげることが大切です。

また、フッ素には歯を強くする効果以外に糖を分解する酵素の働きをじゃまする性質があるため、むし歯菌の活動が弱まり、酸がつくれない良い環境になるという性質もあります。

しかし、フッ素を使ったからといって、むし歯予防は万全ではありません。お口の中にはむし歯菌が常在していますので毎日のブラッシングによって歯からプラーク(細菌の塊)を取り除き、定期的に歯科医院でチェックとクリーニングを受けることが一番の予防になります。

当院では大人の方のクリーニング(PMTC)後や、お子さんの検診時にも無料でフッ素塗布を行っています。 

何も症状がなくても3~4ヶ月に一度は歯科医院でのチェックとフッ素塗布を受診して、お口の健康を保ちましょう。

 

 カテゴリ:虫歯