院長ブログ

金属アレルギーとガルバニックショック

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は金属アレルギーとガルバニックショックについてお話します。

歯科領域では様々な金属を口腔内で使用しますがその中でもニッケル、クロム、コバルト、アマルガムなどがアレルギーを引き起こし易いものとされています。

金やプラチナ、チタンは比較的アレルギーを起こしにくいとされていますが稀にアレルギーを起こされてしまう方も見受けられます。

口の中は咬合による金属の磨耗や、金属どうしがかみ合うことによって金属イオンが口の中に溶け出し易い環境にあります。

異種金属どうしが唾液を介して接触するとガルバニー電流とよばれる電流が流れ、ガルバニックショックを起こすことがあります。

アルミ箔を咬んだり、銀歯にスプーンやフォークがあたったりすると、嫌な感じがするのはガルバニックショックが原因です。

ガルバニックショックにより金属イオンが口の中に溶け出し易くなるため、金属アレルギーの方は特に注意が必要です。

金属アレルギーの方はパッチテストと呼ばれるアレルギーの検査を行い原因となる金属を特定し、口腔内にその金属を使用した修復物が入っている場合はセラミックやレジンへのやり変えをお勧めします。

口腔内の金属をはずしてもすぐにはアレルギー症状は改善されませんが、私の経験ですと3ヶ月ぐらい経過してから症状が改善されるケースが多いです。

口腔内の金属が原因で、口腔内だけでなく手足や全身に症状が出ることがありますので疑いのある方は金属アレルギーの検査をお勧めします。

 

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指しゃぶり

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は指しゃぶりについてお話します。

指しゃぶりは精神的に不安だったり眠かったりすると起きてしまうといわれております。

一般的には2歳半ぐらいで無くなることが多いです。

4歳をこえても指しゃぶりが無くならないと、治すのが難しいうえに歯並びに影響がでてしまう可能性があるため注意が必要です。

怒りつけてしまうと隠れてこっそり指しゃぶりしようとしてしまうお子さんもいますので、怒るよりも指しゃぶりを止めた時に褒めてあげることのほうが大切です。

指に苦味のある薬を塗って強制的に治す方法もありますが荒療法なので最終手段として行った方がいいとおもいます。

 カテゴリ:小児歯科

糖尿病

こんにちは。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は歯科における糖尿病との関わりについてお話しします。

歯科では特に糖尿病は注意を要する疾患です。なぜかというと、糖尿病と歯周病は大きな関わりがあり、糖尿病にかかると細菌への抵抗力が低下するため歯周病の進行が通常の3倍になります。

また、歯周病を放置すると血糖値をコントロールする働きが弱くなり糖尿病の悪化にもつながります。

歯周病が予防できれば血糖値のコントロールもしやすく安定にもつながるので、糖尿病の方は生活習慣の中で、食事、運動以外にもブラッシングにも意識をむけていただくとよりよいと思います。

歯周病は痛みが出ずに気づかぬまま進行しているケースがほとんどです。また、どんなにブラッシングに気を配っている方でも磨き残しは必ずあり、そこから歯周病が発症していますので、年に3回は細かいところまで、歯科医院でクリーニングをして細菌をコントロールすることが重要です。

また、糖尿病の方は傷が治りにくく感染しやすいため、抜歯や出血をともなう処置の場合、術前に抗生物質の投与が必要になることもあります。

治療中に低血糖発作を起こす可能性があるため、発作がおきにくい食後の空腹時をさけた時間帯に治療をうけるのが理想的です。

 

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根管治療

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は根管治療についてお話します。

虫歯が広がり歯の中に通っている神経が細菌感染を起こしてしまうと、根のお掃除〔根管治療〕が必要となります。

根管治療は大変難しい治療でありどんなに高度な治療技術をもってしても100%成功するとはいいきれない治療です。

汚染された歯の中の神経の管をきれいに掃除し、薬をつめ殺菌ししばらく経過をおっていくと炎症が次第に治まってきます。

ただ、なかなか症状が治まらないケースもでてきます。

炎症が強く歯の周りの骨や、歯と骨の間にある歯根膜と呼ばれる組織まで炎症が広がると根の治療をしてもなかなか痛みがひきません。

また、歯の中を通っている神経の管は複雑に入り組んでいる事が多く、曲がっていたり側枝と呼ばれる細かな枝分かれした神経がお掃除しきれずに残ってしまうケースもあります。

神経をとってしまった歯は寿命が減ってしまい歯の色が変色したり、歯の強度が下がり割れ易くなったり、根の先端が膿んでくる可能性がでてきます。

虫歯菌の感染が神経までいく前に早期に発見し治療を行う事が歯の保存に大切です。

 カテゴリ:根管治療

舌痛症

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は舌痛症についてお話します。

舌痛症とは舌にヒリヒリとした灼熱感やしびれるような感じが続く疾患で40歳以降の女性に多くみられます。

見た目には全く異常が認められず症状だけがあらわれます。

原因はまだはっきりわかっていませんが心因性〔ストレス〕が原因ではないかと言われております。

近年では神経系〔痛みを伝達する神経回路〕に異常が生じている可能性があるとの報告もあります。

治療は抗うつ薬の服用、心理療法が効果的です。

心理的なものが原因であることが多いので十分カウンセリングを行い異常のないことを説明、ご理解していただくことが重要です。

 カテゴリ:口腔外科

上顎洞炎

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は上顎洞炎についてお話します。

上顎洞炎とは上顎の歯の根の上部から目の下の部分にかけてにある上顎洞とよばれる空洞が炎症を起こす疾患です。

症状としては目の下の頬部の圧痛や腫れ、痛み、鼻から膿がでる蓄膿の症状が典型的です。

歯が原因で起こるものと、鼻が原因で起こるものがあります。

歯が原因で起きる上顎洞炎を歯性上顎洞炎といい、虫歯や歯周病を放置したり、根の治療が原因で根の先端から上顎洞に細菌が入りこむことにより発症します。

上顎に行うインプラント治療にも上顎洞炎のリスクがあります。

歯が原因の場合は奥歯〔特に奥から二番目の第一大臼歯〕の根の先端の病巣が原因になる可能性が最も高く、咬んで痛い症状や歯肉の圧痛が認められるケースが多いです。

治療は抗生物質の投与で細菌の感染を押さえ込み、根の細菌感染が原因の場合は根の治療を行います。

改善しない場合は抜歯を行い、必要があれば空洞の洗浄、内部の膿を取り除く外科的手術が行われます。

私自身、根の細菌感染が原因で5年ほど前に上顎洞炎を経験した事があり、当時はあまりの激痛に数日間苦しみました。

数日後、鼻から膿がでまして内部の内圧が下がり痛みがひきました。

治療は抗生剤の投与、原因歯の抜歯を行い症状は改善しました。

レントゲンと問診で比較的簡単に診断できますので症状に心当たりのあるかたは検査をおすすめします。

 

 カテゴリ:口腔外科

幼若永久歯

こんにちは。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は幼若永久歯についてお話しします。

生えたばかりの大人の歯のことを幼若永久歯と言います。

この幼若永久歯は、生えてから2~3年は完成されておらず虫歯になったりぶつけて折れたりすると、治療法も通常の永久歯とは違うところが出てきます。

〔幼若永久歯の特徴〕

・強度が低く、虫歯に対する抵抗力が弱い。
 →外からフッ素を取り入れ、緻密な結晶構造を作ってあげることが大切です。

・形態的に虫歯になりやすい
 →若永久歯の溝はまだとても深く、虫歯菌のすみかになりやすいため、溝を埋めるシーラントなどの予防処置が有効です。

・ 歯根が完成されていない。
 →永久歯の根っこは生えてすぐは完成されておらず、3年くらいかかって完成します。
この幼若な状態の2~3年をなんとか虫歯にならないようにのりこえられるようにしたいものです。

 逆にこの成熟過程の間に フッ素を積極的に利用すると、再石灰化が促進して歯が早く成熟します。 生えたての歯はよくフッ素を取り込みますので、将来虫歯になりにくい丈夫な歯を作ることができるのです。

万が一むし歯になってしまった場合にも、幼若永久歯の治療には、その成長力旺盛な力を活用する方法があります。

 幼若永久歯のむし歯は進行が早いため、発見された時には細菌に感染した部分が深部にまで及んでおり、そのまま削っていけば神経が露出する場合がほとんどです。

その場合に応用される治療法で、むし歯になった部分をできるだけ取り除き、むし歯菌に侵されている部分を一層残し、神経を露出させないようにして薬剤で覆い、セメントでふたをし歯の形成を待ってから、数ヶ月後に再度処置を行うといった方法を用いることができます。

なにより、むし歯にならないことが一番ですので生えたての歯は特に大切に、一生使っていけるよう守っていきたいです。

 カテゴリ:小児歯科

三叉神経痛

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は三叉神経痛についてお話しします。

三叉神経痛は顔の一部に起こる発作性の激痛です。

激烈に強い痛みを伴いますが突発的な痛みで数秒でおさまる事が多いです。

洗顔や髭剃り、化粧、食事、会話などの動作で痛みが誘発されます。

三叉神経痛の一部は脳腫瘍が原因で起こっていることがある為、突発的な数秒でおさまる激痛が顔面に出た場合はMRIによる精密検査をおすすめしています。

治療は外科で薬物療法(カルバマゼピン)、神経ブロックなどを行います。

原因不明の歯の激痛を主訴として来院される患者さんの中には三叉神経痛を歯の痛みが原因と間違えられて、健康な歯を抜歯されたり、神経を抜かれてしまうケースもあるようなので注意が必要です。

私は現在までに5名ほど三叉神経痛の患者さんを診察した事があり、そのうち1人の方は脳腫瘍が原因でした。

診断が非常に大切になってきます。

当院では精査を行ったうえで原因不明の痛みがある場合、無理に抜歯したり神経を抜くような処置は行わずに大学病院と連携をとっています。

 

 カテゴリ:口腔外科

歯肉炎

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は歯肉炎についてお話します。

歯肉炎は歯周病の一歩手前の状態で歯槽骨(歯を支えている骨)にまでは炎症が広がっておらず、歯肉のみに炎症が起きているものです。

歯肉炎になると歯茎が炎症を起こして腫れたり充血したりして出血しやすくなります。

歯肉炎の一番の原因は清掃不良による口腔衛生状態の悪化ですが、女性ホルモンの変化も関係があるといわれております。

思春期や妊娠により女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が増えると歯肉炎が起こりやすくなります。

出血しやすいからといって歯みがきをやめてしまうと逆効果です。

健康な歯肉はスティップリングと呼ばれるミカンの皮の表面のようなくぼみが認められ、引き締まり淡いピンク色をしています。

健康な状態の歯肉にもどせるように歯みがきによる予防法をしっかり行いましょう。

ご自身ではしっかり歯みがきできているつもりでも、実は磨けてないことはよくありますので歯科医院での定期的なチェックをおすすめします。

 カテゴリ:歯肉炎

口臭

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は口臭についてお話します。

口臭の原因の80%はお口の中にあるといわれています。

歯周病、清掃不良、虫歯、舌苔、口腔乾燥(ドライマウス)などが口の中からくる口臭の主な原因です。

他にも糖尿病や呼吸器系の疾患、腎不全、副鼻腔炎などの全身疾患からくる口臭もあります。

口臭には病気からくるものだけでなく起床時や空腹時には誰でも口臭が強くなる傾向があります。

これらを心配なさって来院される方も多くいらっしゃいますが、これは生理的口臭といって誰もがあるものでありゼロにはできませんし問題ありません。

効果的な口臭ケアの方法として舌苔の除去があります。

舌苔は舌の表面に付着する白い苔のようなもので舌苔の清掃は口臭予防に非常に効果的です。

舌の奥から手前にかき出すように優しく繰り返しこすります。

この時前後にこすると誤嚥の原因になるため手前にかきだします。舌はデリケートな組織なので、柔らかい歯ブラシか専用の舌クリーナーで優しくお掃除することをおすすめします。

口腔内を清潔に保ち、お口のクリーニング、検診を定期的に受けることが口臭予防にも効果的です。

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