こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。
今回はフォーダイス斑についてお話します。
皮膚にあるべき皮脂腺が、本来存在しないはずの粘膜にできるものでクリーム色の点状に現れます。
これをフォーダイス斑といいます。
痛みなどの自覚症状がないことがほとんどで、粘膜のデコボコが気になって偶然気がつくことが多いです。
ほっぺたの粘膜の後方にみられることが多く、思春期以降に増加し年齢とともに増えていく傾向があります。
特に治療の必要はないのでご安心ください。
こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。
今回は歯牙腫についてお話します。
歯牙腫は顎骨内に発生する良性腫瘍で腫瘍の中に歯の組織を含んでおり、腫瘍の内容物により複雑性歯牙腫と集合性歯牙腫に分けられます。
歯が形成される過程で異常が生じた組織の形態異常で、症状がないためにレントゲンで偶然発見されるケースが多いです。
腫瘍はゆっくり大きくなり、大きくなると周りの歯を圧迫し歯の位置が異常になったり、歯根の吸収を起こすことがあります。
治療は外科的な摘出を行います。
一般的に再発の恐れもなく治癒経過は良好です。
私も上の前歯の根の付近に歯牙腫が発見され、小学生の頃口腔外科で局所麻酔で摘出してもらった経験があります。
2013年4月10日 カテゴリ:口腔外科
こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。
今回はドライソケットについてお話します。
ドライソケットとは抜歯した後に、骨がむき出しになってしまい激痛が続く偶発症です。
通常、歯を抜いた後は出血して抜歯した穴に血の塊〔血ぺい〕ができて治癒してきますが細菌感染による炎症や、何度も強くうがいをしてしまったり、傷を気にして指や舌で触ることにより血ぺいが流れてしまったり上手く形成されなかったりして起こります。
血ぺいはかさぶたの役割をし、傷口の保護や組織の再生、傷の治癒のあしがかりになりますので非常に大切です。
下顎の親知らずの抜歯後にみられることが多いです。
抜歯した後は通常麻酔がきれかかってくると痛みがでて、次第に痛みがひいてきますがドライソケットの場合は2~3日後ぐらいから痛みが強くなるケースが多く、激痛が2週間から1ヶ月ほど続きます。
治療は抗生剤の投与、抜歯した穴に抗生物質を混ぜた軟膏をつめたり、中をかき出し出血させて血ぺいができるようにします。
歯を抜いた後は必要があれば感染予防の為に抗生剤を服用し、強くゆすがないでさわらずに安静にすることがドライソケットの予防に効果的です。
2013年3月31日 カテゴリ:口腔外科
こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。
今回は口腔癌についてお話します。
口腔癌は口の中にできる悪性腫瘍です。
舌癌が口腔癌の中で最も多く〔特に舌の側縁部に出来やすい〕、口腔癌の約60パーセントを占めます。
次いで歯肉癌が多く、とくに下顎の奥歯付近に出来やすいです。
原因は痛みのあるあわない義歯の長期使用や、虫歯により歯が欠けてしまい粘膜を長期間傷つけてしまうことが要因として挙げられます。
そこに喫煙、飲酒、口腔衛生状態の悪化などが複合的に重なると発生するといわれております。
初期症状は痛みなどの症状がないため口内炎とまちがえて放置してしまうケースが多いです。
口内炎は通常2週間ほどで治癒しますが、2~3週間たってもしこりがとれず治らない場合は病院の受診をお勧めします。
進行すると出血や痛み、痺れなどの症状がでることもあります。
前癌病変として、しこりもできず粘膜の表面が平滑に鮮紅色に赤くなる紅板症やこすっても剥離しない白色の角化性病変の白板症などがありますが気づかないで放置されている方もいらっしゃり虫歯や検診で歯科医院に来院された際、偶然発見されたかたも何人かいらっしゃいました。
特に紅板症は発見しにくいうえに約半数が悪性化する可能性があるため注意が必要です。
検査は問診、視診、触診、病理検査、画像診断を行います。
治療は外科療法。つまり病巣の切除を行い、それに併用して放射線療法、抗がん剤を用いた化学療法を行うケースが多いです。
口腔癌の約8割は喫煙や飲酒が関与されているといわれていますので心当たりのある方は量を減らすことをお勧めします。
義歯があたって痛くても放置して無理して使用してしまったり、虫歯により歯が欠けてしまい尖った縁が慢性的に粘膜にあたる方ははやめに治療されたほうがいいです。
刺激の強い食べ物を控え、バランスのよい食事をとり口腔衛生状態を改善することも口腔癌の予防に大切です。
2013年3月23日 カテゴリ:口腔外科
こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。
今回は舌痛症についてお話します。
舌痛症とは舌にヒリヒリとした灼熱感やしびれるような感じが続く疾患で40歳以降の女性に多くみられます。
見た目には全く異常が認められず症状だけがあらわれます。
原因はまだはっきりわかっていませんが心因性〔ストレス〕が原因ではないかと言われております。
近年では神経系〔痛みを伝達する神経回路〕に異常が生じている可能性があるとの報告もあります。
治療は抗うつ薬の服用、心理療法が効果的です。
心理的なものが原因であることが多いので十分カウンセリングを行い異常のないことを説明、ご理解していただくことが重要です。
2013年3月13日 カテゴリ:口腔外科
こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。
今回は上顎洞炎についてお話します。
上顎洞炎とは上顎の歯の根の上部から目の下の部分にかけてにある上顎洞とよばれる空洞が炎症を起こす疾患です。
症状としては目の下の頬部の圧痛や腫れ、痛み、鼻から膿がでる蓄膿の症状が典型的です。
歯が原因で起こるものと、鼻が原因で起こるものがあります。
歯が原因で起きる上顎洞炎を歯性上顎洞炎といい、虫歯や歯周病を放置したり、根の治療が原因で根の先端から上顎洞に細菌が入りこむことにより発症します。
上顎に行うインプラント治療にも上顎洞炎のリスクがあります。
歯が原因の場合は奥歯〔特に奥から二番目の第一大臼歯〕の根の先端の病巣が原因になる可能性が最も高く、咬んで痛い症状や歯肉の圧痛が認められるケースが多いです。
治療は抗生物質の投与で細菌の感染を押さえ込み、根の細菌感染が原因の場合は根の治療を行います。
改善しない場合は抜歯を行い、必要があれば空洞の洗浄、内部の膿を取り除く外科的手術が行われます。
私自身、根の細菌感染が原因で5年ほど前に上顎洞炎を経験した事があり、当時はあまりの激痛に数日間苦しみました。
数日後、鼻から膿がでまして内部の内圧が下がり痛みがひきました。
治療は抗生剤の投与、原因歯の抜歯を行い症状は改善しました。
レントゲンと問診で比較的簡単に診断できますので症状に心当たりのあるかたは検査をおすすめします。
2013年3月11日 カテゴリ:口腔外科
こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。
今回は三叉神経痛についてお話しします。
三叉神経痛は顔の一部に起こる発作性の激痛です。
激烈に強い痛みを伴いますが突発的な痛みで数秒でおさまる事が多いです。
洗顔や髭剃り、化粧、食事、会話などの動作で痛みが誘発されます。
三叉神経痛の一部は脳腫瘍が原因で起こっていることがある為、突発的な数秒でおさまる激痛が顔面に出た場合はMRIによる精密検査をおすすめしています。
治療は外科で薬物療法(カルバマゼピン)、神経ブロックなどを行います。
原因不明の歯の激痛を主訴として来院される患者さんの中には三叉神経痛を歯の痛みが原因と間違えられて、健康な歯を抜歯されたり、神経を抜かれてしまうケースもあるようなので注意が必要です。
私は現在までに5名ほど三叉神経痛の患者さんを診察した事があり、そのうち1人の方は脳腫瘍が原因でした。
診断が非常に大切になってきます。
当院では精査を行ったうえで原因不明の痛みがある場合、無理に抜歯したり神経を抜くような処置は行わずに大学病院と連携をとっています。
こんにちは。ニコデンタルクリニック院長の西野です。
今回は親知らずが引き起こす智歯周囲炎についてお話しします。
20歳前後に一番奥に生えてくる第三大臼歯のことを「智歯」といいます。いわゆる親知らずのことです。
日本人は、あごが小さいために、一番奥にこの歯の生える場所がなく、正しい位置にうまく生えないことが多く、横向きに生えたり、歯の一部だけしか顔を出さなかったり、歯はあってもあごの骨の中に埋まったままで生えてこないこともあります。
うまく生えてこない親知らずは、歯の一部が口の中に出ていて、他の部分は歯肉で覆われているので、歯と歯肉の間にポケット状の隙間ができてしまうため、口の中の細菌や食べカスがたまり、細菌が繁殖するとその周りに炎症が起きます。これが親知らずの痛みである智歯周囲炎です。
初期症状は、親知らずのまわりの歯肉が腫れて、食事の時などに痛む程度です。しかし、それが進むと炎症が広がり口が開きにくくなり、さらに顔面や耳のあたりまで痛みが広がったり、飲み込むのも痛みが伴うようになります。
炎症がもっとひどくなると、あごの下のリンパ腺や扁桃腺が腫れてきます。さらにひどくなると顔が腫れてきたり、炎症が広がって、呼吸困難や細菌が全身にまわって高熱がでたりします。
下あごのいちばん奥のあたりが腫れぼったく、口を大きく開けると痛い場合は、この病気を疑って歯科医院に診てもらって下さい。口を開いても親知らずがほとんど見えないこともありますが、レントゲン写真を撮ると親知らずがあるか、またうまく生えてくる歯かどうかもわかります。
治療の第一は安静です。炎症を起こしている部分をきれいにして消毒し、細菌を殺す抗生剤や炎症を抑える消炎剤、鎮痛剤を使います。
智歯周囲炎は、歯が不潔になったり、疲れや風邪のひき始めなど、免疫力が低下したり、体が少し弱っている時に起きやすいので日頃からブラッシングで細菌を減らし、疲れをためずに睡眠と栄養をしっかりとること、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることが第一の予防法です。